先日2月26日は、敬愛するトラックメイカーNujabesの11回忌だった。
しばしばNujabesはlofi chillやjazzy hiphopとして括られる。けれどそういう音楽がなぜか流行りだす以前から、すでに彼はそうしたカテゴリのずっと向こうを見据えて音楽を作っていた。
命日のあたりは毎年東京と大阪のクラブハウスでNujabesオンリープレイのイベントが開かれる。僕は予定がなければできるだけ行くようにしていて、毎年それが一年の経過をもっとも感じさせてくれる出来事だった。のだけど、今年はコロナがあって当然無開催。とても寂しい。
個人的に一番好きな曲は、ヒップホップMCのShing02との共作Luv(sic)シリーズの最後を飾るLuv(sic) Grand Finaleだ。もう何年も前に六本木のTSUTAYAでこれがかかっていたのがNujabesの聴きはじめで、衝撃を受けてすぐさまShazamを起動したことをよく覚えている。
とにかくすべてが美しいが、あえてなところから言うと歌詞の出だしがやばい。"I met a metaphorical girl in a metaphysical world"である。
Nujabesはクラムボンやtoeと共同制作していたことでも知られていて、そうした流れでポストロック系のファンも流れ着いていた。
今生きていたら誰と、どのような媒体で作品を発表していたのだろうとつい考えてしまう。(ヒプマイに提供していないことだけは確かだ。)
まあとにかく来年は、ハイネケン片手に「ああもう一年たったのか」と感じられますように。